会社設立後、最低限、出しておくべき税務届出は以下のようなものがあります。

 

設立届出(国税)

これは会社が設立したことを税務署に知らせるための届出になります。税務署に会社設立2カ月以内に提出することが義務付けられています。定款及び登記簿謄本の写しを合わせて提出します。

 

設立届出の書き方(サンプル)

法人設立届出書サンプル(国税)画像

用紙のダウンロードはこちら

 

設立届出(都道府県、市区町村)

これは、会社が設立したことを都税事務所や県税事務所、市役所等に知らせるための届出になります。税務署に提出しているにもかかわらず、県税事務所や市役所に提出しなければならないのは、やはり、縦割り行政の悪しき部分でしょうか。提出期限は、地域により異なりますので、ご注意ください。なお、23区については、都税事務所に出せば、市区町村に提出する必要はありません。なお、こちらも定款と登記簿謄本の写しを合わせて提出します。

 

設立届出の書き方(サンプル)

法人設立届サンプル(市町村)画像

 

用紙は、各都県税事務所、市区町村のホームページでご確認ください。

 

青色申告の承認申請書

この届出を設立から3カ月以内に提出することによって、法人税の青色申告ができるようになります。青色申告をすることにより、一定の税制の優遇を受けられます。ただし、総勘定元帳等の帳簿の作成義務があります。

これは、会社に帳簿を作成させて税務調査をしやすくする代わりに、一定の優遇税制をうけられるようにしたと考えられる制度でしょう。

具体的には以下のような税制優遇等があります。

 

  • 欠損金の繰越控除・・・利益が黒字であっても、過去の赤字部分の損失と相殺できる制度です。これにより過去の赤字は最大9年(平成29年4月1日以後は10年)繰越して、将来の黒字の相殺に利用できます。青色申告をしておけば、赤字も将来の節税に役立つということですね。
  • 繰戻還付・・・・前期が黒字で、翌期が赤字になった場合、1年分遡って、赤字部分を前期の黒字と相殺し、税金の還付を受けることができます。イメージとしては、欠損金の繰越控除の逆ですね。
  • 少額減価償却資産の特例・・・青色申告をしていれば、30万未満の減価償却資産を一括で費用化できる制度です。通常、青色申告をしていないと10万円を超えると、耐用年数に応じて費用配分する必要がでてきます。

 

青色申告の承認申請書の書き方(サンプル)

青色申告の承認申請書(サンプル)画像

青色申告の承認申請書の用紙ダウンロード

https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/annai/1554_14.htm

給与支払事務所等の開設届出書

会社が給与を支給することになった場合に税務署に提出します。提出期限は、給与を払うことになってから1カ月以内ですが、給与を払わない会社は通常はないので、設立のタイミングで提出をおすすめいたします。

 

給与支払事務所等の開設届出書の書き方

給与支払い事務所等の開設届出書(サンプル)画像

 

給与支払い事務所等の開設届出書用紙ダウンロード

 

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

本来、従業員等の給与から天引きする源泉所得税はその天引きした月の翌月10日までに国に納付する必要がありますが、この届出を提出することによって、源泉所得税の納付を1月と7月の年2回でいいですよという制度です。これにより事務処理が簡便かすることができるかと思います。

提出が必須ではありませんが、事務処理の煩雑を考えると提出を強くお勧めいたします。

 

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の書き方

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(サンプル)画像

 

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書用紙ダウンロード

 

その他、申告期限の延長の特例の申請書、棚卸資産の評価方法の届出や減価償却資産の償却方法の届出などがあります。これらは税理士と相談して決めると良いでしょう。

 


 

さて、いかがでしたでしょうか?会社設立時には、税務署や都県税事務所、市区町村への届出を忘れずに行いましょう。弊社にご依頼いただけれすぐに対応いたします。