起業を目指して独立される方、会社の管理部門の方で子会社として株式会社を作りたいが手続きはどうなっているんだろう。
自分でできないことはないと言われているが、本当にできるのだろうか。
わかりやすく手順をお伝えします。
まず用意するもの
|
1. 印鑑(ハンコ)
会社の印鑑は通常4つあります。なんでそんなに多いのか。それぞれ役割があります。
実印(登記印) | 会社の実印として登記するハンコです。一番大切です。大切なので登記した実印を求められる時は限られています。重要な時にしか押しません。 |
銀行印 | 銀行口座との取引に利用するハンコです。ほかのハンコより小ぶりで小さいです。このハンコもお金が直接絡むので重要ですね。普段押印するようなものではないです。 |
契約印 | 普段使いのハンコです。契約書や申込書にはこれを押印します。会社の規模や業態から実印をポンポン押して社外に印影(ハンコの形)が出ても良いと考える経営者様もいらっしゃると思います。その場合は省略して実印を使っても問題ないです。 |
角印 | 注文書、請書、請求書や簡単な申込書に利用するハンコです。 |
ハンコは素材や文字にこだわりのある方もいらっしゃると思います。詳しくはハンコ屋等で相談しましょう。
2. 定款
定款はテンプレートがインターネットにアップされていますので利用しましょう。
会社の名前、事業内容、住所、決算期を書き込めば形にはなります。
自分のお金をもとに起業するのであれば取締役しかいない会社で良いでしょう。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資を受け入れて起業する場合は出資者の希望も確認したうえで取締役会等の設置を検討しましょう。
設立日と決算期、資本金の額は税額に結構影響します。節税を考えている方は会計事務所へ相談しましょう。
3. お金
お金は会社にとって血液と同じ。どんな会社でも(例えボランティアのNPO法人でも)必要不可欠です。
全額資本金でいれるのか、資本金を少な目にして会社に個人貸付をするのか。いろいろ選択肢があります。基本的な方針としては資本金を多めに入れて、銀行から創業融資や補助金、助成金を受けてビジネスをする方向が良いでしょう。企業の子会社として設立する場合は貸付を多めにしたほうが都合が良いことが多いです。
会社設立の際にはどの口座でもいいので自分の銀行口座に資本金と同じ額の振り込みが通帳に記入されていれば受け付けてもらえます。昔と比べるとずいぶん便利になりました。
以上、用意したら後は力技。気合を入れて証明書集めと定型フォームに記入して書類を作ります。必要な書類は以下です。
定款 | 事前に作成した定款が正しいことを第3者に証明してもらう必要があります(定款認証)。公証人役場へ定款を持っていくとしてくれます。実は、定款認証を行う公証人役場の方は様々な定款を見てきた定款のプロフェッショナル。定款について聞けばなんでも教えてくれる心強い方たちです。実際に公証人役場に足を運ぶ前に電話とFAXして定款を確認してもらいましょう。定款認証はWEBでもできますが、公証人とコミュニケーションしたほうが良い点とWEB申請しても結局は役場に行かなければならない点を考えるとアナログで認証がおすすめです。 |
資本金の払込証明書 | 資本金が振込まれたことがわかる通帳とちょっとした記入でできます |
発起人の決定書 | 住所等を決めましたという紙1枚です。 |
役員就任承諾書 | 役員に就任される方から、役員就任承諾しましたということを証明する紙です。各役員の捺印が必要です。 |
印鑑証明書 | 各役員(取締役会があるときは代表のみでOK)の印鑑証明を区(市)役所でもらい用意します |
株式会社設立登記申請書 | 所定の用紙に記入します |
登録免許税貼付用台紙 | 印紙を買って貼る台紙です |
さあ、いよいよ設立の登記です。
会社は登記されることで成立します。登記されたら会社の誕生です。
登記は各種書類を法務局へ提出するだけです。注意点は提出した後、会社が存在する証明書である登記簿は2週間後くらいにならないと手に入らないことです。会社は誕生していますがその証明書がなかなか出ない。また、法務局で新しい会社の印鑑届出書も一緒に提出しましょう。
さあ、会社ができました。会社設立までの手続はここまでです!お疲れさまでした。
しかし、これで終わりではありません。
登記簿が入手できるようになったら、税務署や都道府県へ各種届出が必要です。
会社ができたと喜んでいる新社長の方へ、設立後の各種届出書類の束を見せるとげんなりされることがあります。必須としては法人設立届出書(開業届)、青色申告の承認申請書あたりでしょうか。間違いの無いようお願いします。
また、社会保険関係も入られる場合は提出資料が跳ね上がります。社会保険は入らないという事業者様も多いですが、マイナンバー制度が落ち着くころには状況が変わっているかもしれません。
ご自身で何とかできると思います。しかし、それが良いか悪いかは別問題。この手続きは少なくとも1週間、10日くらいはつぶれます。
個人的には、書類の中で一番重要な「定款」の作成に時間を費やすのは良いと思いますが、些末な書類に事業に費やすべき時間を犠牲にするのはもったいない。このような作業は得意な人に任せるのが良いと思います。
お問い合わせお待ちしております。