今も日本のどこかで税務調査が行われています。
ところで、皆様は税務署の職員から連絡が来たり、はたまた訪ねてきたりした時に冷静に対応できますでしょうか。
電話口の声とは裏腹に、緊張されるのではないでしょうか。
人間、緊張している時は思わぬ言葉を発してしまうもの。
そんなとき、マジックワードがあります。
「顧問税理士に全て任せているので、そちらにお願いします」
電話であろうが、訪問であろうが、どんなにテンパってもこの言葉でOKです。税務署からコンタクトがあったら常にこのマジックワードです。
以上なのですが、なぜこのような言葉がすらっと出るようにしておかなければならないのかをご説明します。
法律上は顧問税理士にも伝えなければいけない
税務調査は通常のケースだと事前に連絡があって行われます。
そして、税理士法には事前の連絡を顧問税理士にも行わなければならない旨が規定されています。
(調査の通知)第34条 税務官公署の当該職員は、租税の課税標準等を記載した申告書を提出した者について、当該申告書に係る租税に関しあらかじめその者に日時場所を通知してその帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。以下同じ。)を調査する場合において、当該租税に関し第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、併せて当該税理士に対しその調査の日時場所を通知しなければならない。
しかしながら、このように規定されていたとしても、守られない場合があるのが現実です。
- 会社に先に連絡して片を付ける
- 突然会社に現れ「ちょっと見せてもらうだけでいいから大丈夫」と軽い押し問答
- 税理士に連絡をと会社に言われたのにも関わらず、調査期間中あえて税理士に連絡せず、会社に直接連絡やアポなし訪問
客商売をしていらっしゃる経営者の方は税務署の方にも同じような感覚で接してしまうことがあります。税務の取り扱いは、一歩間違うといつの間にか大きなリスクを抱えることがあるので、「お客様」ではなく毅然とした態度で臨むべきです。
調査官が会社の方に直接連絡をする理由の大半は、顧問税理士という壁の無いところで税務署に有利な発言や証拠を収集したいという思惑にあります。
それに、税理士を通さず会社に直接連絡することは違法ではないので、よく使われる手です。
税務調査の目的は
「適正かつ公平な課税を実現すること」
素晴らしい。ただし、調査官の方は、ご自身の査定や表彰のインセンティブもあり・・・
いかがでしたでしょうか。
重要なことなのでもう一度。ぜひ口に出して。
「顧問税理士に全て任せているので、そちらにお願いします。」
こういうときに、対応できないと、なぜ日々顧問税理士とああじゃないこうじゃないとやっているのか意味が無いですよね。顧問税理士不在であっても、突然税務署から対応を求められたら、対応しておこうかというのが自然な流れ。自然な流れとは違うことが「本来の対応」なので注意が必要です。
最善の方法一緒に目指していきましょう。
下の画像はヴェネツィアのドッジ宮殿にあるこの「ライオンの口」は匿名の密告箱。不正に収益を隠している人の内容を書いて口に放り込む。脱税の割り出しに利用されました。目が仁王みたいですね。