本日、直近で上場したばかりのAPPBANKからリリースが出ました。

今般、誠に遺憾ながら、当社元役員が、経理部門に在職した期間を通じて、当社の金銭を業務上横領していた疑いのある事実が判明いたしました。当社において、このような事態が生じたことは、誠に遺憾であり、株主・投資家の皆様をはじめ、取引先および関係者の皆様には多大なるご迷惑とご心配をおかけいたしますことに、深くお詫び申し上げます。現在、当社は当該事実について調査中であり、公表すべき事実が確定し次第、速やかに開示をいたす所存です。

本件の概要と業務上横領と疑われる事実が判明した経緯平成27年11月下旬の税務調査の過程において、当社の支払先のなかで所在の判明しない取引先が見つかりました。内容を精査したところ、平成27年12月上旬の社内調査において、経理部門の責任者であった元役員が平成24年から平成27年までの間に、自身が関与する複数の法人等を当社取引先かのように偽装し、同法人等の口座に当社の銀行口座から不正に送金していた事実が発覚しました。なお、現時点で判明している不正な送金の合計金額は、約1億4千万円にのぼる見込みです。

2015/12/10 APPBANK適時開示

平成27年10月15日に上場してわずか2か月の開示。11月下旬の税務調査の過程で判明したとのこと。内部統制に重要な問題がありますので、本件が上場前に発覚していれば上場はしていないでしょう。東証、証券会社、監査法人が3者で調査して発見することができなかったものが税務調査で判明するという・・・恐るべし税務調査。

税務調査では、反面調査といって取引先の数字を取引先に直接確認します。会社経営が長い方は何回か問い合わせを受けたことがあると思います。

反面調査には文書による照会電話連絡による照会臨場照会の3つがあります。

実態のない会社に不正送金していたのがばれたのでしょう。

商売上の注意点としては、取引が怪しいと感じると取引先に問い合わせがされるので、取引先に迷惑をかけかねない。そのようなことをなるべく防ぐためにも、怪しい取引と判断されないよう、納品物等はきちんと説明できるようにしておきましょう。

 


 

本件については、調査委員会の設置と、その調査結果の公表、規模によって過去の財務諸表の修正が行われるでしょうから、また追加で記事をアップデートいたします。現時点で判明している1億4000万円は上場直前期の経常利益の半分にあたる額で会社にとって重要性があるものですから”社内”調査委員会ではなくて”第三者”調査委員会にしてほしいところです。(追記 2015/12/15 “社内”調査委員会でした

ところで、税務署以外で、外部の方も架空取引の可能性があることをアップバンクに指摘していたようです。恐るべき調査力で切込隊長の名を持つ有名な方です。