金融機関などから融資を受けた場合、毎月の元本とともに利息を支払いますが、当然、利息部分は費用として計上しますよね。

しかし、借入金の利息が費用(損金)にならない場合があります。

 

それが過小資本税制。。。知らないといきなり大きな税をとられる可能性があります。

 

 過小資本税制とは

日本国内にある会社が海外から資金調達した場合、過大な借入をすることによって、多大な利息を計上し、利益を圧縮、法人税を低く抑えようとする行為(租税回避)を防止する制度をいいます。

 

過小資本税制の背景

これは、日本国内にある会社が海外から資金調達する場合、出資もしくは借入が考えられます。そして、出資の場合、海外出資者は配当を得られますが、その配当は、費用計上(損金算入)できません。一方、海外から借入をした場合、利息を計上し、費用計上(損金算入)が可能です。このように借入では、利息を計上することによって、日本での利益を圧縮し、利益を海外に移転することが可能になってしまいます。

 

過小資本税制の具体的な基準と算定方法

法人税を低く抑えようとする行為(租税回避行為)を防止するため、以下の2つの条件を満たす場合には、海外からの借入利息のうち一部の費用計上を認めないこと(損金不算入)にしています。

 

  • 総利付負債(利息がつく負債の合計額)の平均残高が自己資本の3倍を超える場合(ただし、繰越利益剰余金と当期純利益の合計がマイナスの場合、自己資本ではなく、資本金等の額の3倍で比較)
  • 海外からの借入金の平均残高が海外からの出資額の3倍を超える場合

 

費用にならない利息(損金不算入の利息)は原則として、以下の金額になります。

 

海外からの借入金の利息×(1-海外からの出資額×3÷海外からの借入金の平均残高)

 

 


 

以上、いかがでしたでしょうか?

グローバル化が進み、海外からの投資が増えている現在、出資ではなく借入という選択肢も決して悪くはありません。ただ、ある一定額を超えると利息が費用にならないことがあることを前提に資金調達形態を考えることをお勧めいたします。