全ての会社が順調に行くわけではありません。また、後継者不足や親会社の方針変更などで清算することもあるでしょう。

会社をたたむときの手続は債務超過や債権者と争いになっていなければ基本的には自分でできます。

以下、株式会社の場合を念頭に置きます。どの形式も大体同じです。

 

会社をたたむ(清算する)前に考えること

  • 決算をきちんとして会社のお金の面での状況はどうか。自身と家族の生活資金はどのくらいあるか
  • 従業員をどうするか。事業譲渡(又は同業への転職の斡旋)を最後まで努力する

 

会社をたたむときの前提

会社の借金をきれいにする

会社の未払いの仕入れ代金や給与、銀行からの借入を清算します。

この時、銀行からの借入を少し免除してもらえれば事業を続けられる状態の可能性があれば診断しますのでご相談ください。

支払いを完全に完了できない場合は弁護士に依頼して特別清算をします(借金を抱えたまま倒産)。特別清算の場合は自分でやるのは止めましょう。弁護士費用は200万円弱が一般的で普通です。費用は分割なども相談に応じてくれるでしょう。重要なのは、銀行や取引先に会社をたたむことを考えていることや、払うことが難しい旨を言う前に弁護士に相談すること。また、顧問税理士が銀行の紹介である場合には、念のため、その税理士には相談しないほうが良いでしょう。取り立てが始まると「待った無し」で物事が進んでしまいます。事前に弁護士と打ち合わせが理想的です。

 

廃業と倒産は違う

通常、会社をたたむということは廃業と倒産を両方のパターンがありえます。

実は廃業と倒産は違います。

廃業は、貸し借りきれいにさっぱりとさせ、取引先ともきちんと筋を通したうえで会社をつぶすことです。

一方、倒産は貸し借りをきれいにできる状態ではないが、法律的にきちんと手順を踏んだうえで会社をつぶすことです。

廃業はお金があるときしかできないのです。また、倒産は基本的には弁護士案件です。

ご自分がどちらなのかは意識しておきましょう。

 

やること(会社をたたむときの手続き的なゴール)

  1. 会社の決算を締めて税金を払う
  2. 債権者にお金を払って借りの無い状態にする
  3. 法律的な手続きに従って登記を消す

 

具体的な手順(時系列)

  1. 解散の株主総会決議 (株主集めて総会を開き議事録を作ります。清算人も決める)
  2. 解散と清算人の登記(総会決議から2週間以内)
  3. 解散届出を税務署に提出
  4. 解散事業年度の確定申告(総会決議から2か月以内。解散前までの年度の税金を払います)
  5. 解散公告(解散から2か月以内。2か月以上の期間。官報に記載。実費で数万円かかる)
  6. 清算時決算書類を作成して確定申告して支払
  7. 全て終わったら株主総会で清算決議をして登記して終了

自分でやる場合の実費の費用概算は登記関連で5万円、官報公告で5万円というところです。会社たたむときの法務局へ払う登記費用は通常の登記より安くなっています。

裏技ですが、会社は12年放っておくと法務局が登記を抹消して会社がなくなります。税務署へ休眠届と税額免除の交渉をして放置されるかたも多いです。

 


いかがでしたでしょうか。会社をたたむことを考えるに至ったとき、非常に苦しい状況かと思います。

苦しいかもしれませんが、最後までやり切ったことを、金融機関や取引先は見ています。債務免除の交渉をしたとしても、全て終わった後は笑い話にするくらいの時は意外に直ぐに来ます。

今後、また事業をしたいと思った時も、公庫で再チャレンジ支援融資などの後ろ盾もあります。

前向きに考えて何とか乗り切ってください。