助成金といっても多々ありますが、今回はキャリアアップ助成金についてです。
キャリアアップ助成金とは、非正規雇用の労働者(アルバイト、パートタイマー、派遣労働者、有期契約労働者、正社員待遇を受けていない無期雇用労働者を含む)のキャリアアップ等を促進する取組みを実施した事業主が、助成金を受けられるというものです。
このキャリアアップ助成金には、6コースの基盤となるコースがあります。
今回は、一番人気の正規雇用等転換コースについてです。
非正規雇用から、働きによって正社員への道を設けている会社は多いです。そういった会社が活用できる助成金になります。
使える助成金、正規雇用等転換コースとは
正規雇用等転換コースは、非正規雇用労働者等のより安定した雇用形態(正規雇用)への転換を通じたキャリアアップを目的としたコースです。
対象労働者の人数は、1年度1事業所あたり10人(平成26年3月1日から平成28年3月31日の間は15人、無期雇用への転換は10人)を上限としています。
正規雇用等転換コースの支給額
区分 | 1人あたりの支給額 |
有期契約労働者から正規雇用労働者への転換 | 50万円(大企業の場合は40万円) |
有期労働者から無期雇用労働者への転換 | 20万円(大企業の場合は15万円) |
無期雇用労働者から正規雇用労働者への転換 | 30万円(大企業の場合は25万円) |
※こちらは平成26年3月1日から平成28年3月31日の間に、転換した場合の額になります。
また、対象者が母子家庭の母、父子家庭の父、派遣労働者を直接雇用した場合などは、5~30万円の加算額があります。
正規雇用等転換コースの対象労働者
- 支給対象事業主に雇用される期間が、通算して6ヶ月以上である有期労働者、無期雇用労働者、及び派遣労働者。
- 後に正規雇用労働者として雇用することを約束されて、雇い入れられた労働者でないこと。
- 転換日の前日から過去3年以内に、支給対象事業主の事業所において雇用されていないこと。
- 有期契約労働者等で、支給対象事業主が実施した有期実習型訓練を受講して修了したもの。
正規雇用等転換コースの対象事業主
- 雇用保険適用事業所であること。(社会保険の加入条件を満たしている労働者については、加入させていること)
- 就業規則等に、有期労働者等を無期労働者または正規雇用労働者に転換する制度についての規定があること。
- 雇入れ日の前日または転換日の前後の6ヶ月間に、支給対象事業主の都合による解雇(退職勧奨含む)をしていないこと。
- 無期雇用への転換の場合には、転換前の基本給より5%以上昇給させること。
- キャリアアップ計画書を期限以内に提出していること。
※上記は主な内容となり、その他にも条件があります。
最初から正社員や無期雇用として雇ってしまうと、会社都合での退職をしてもらうのは非常に難しくかつ時間もかかってしまい、また労働者とのトラブルが起きてしまうというような様々なリスクがあります。
会社側として働き方などの様子を見たいという場合には、有期契約で雇い、このような助成金を利用する。
何らかの事情があって埋もれている優秀な人材は多い。人材不足の中小企業が積極的に埋もれている人材を活用できるよう、この助成金である正規雇用等転換コースを活用されたらいかがでしょうか。