いよいよ大筋合意したTPP。連日新聞各社の紙面をにぎわせています。
TPPの一般的な概要は政府公表の資料をみればわかりやすいです。
(TPP概要(内閣官房))
ざっくりいうと、TPPによって各国の貿易の垣根がさがります。貿易にはモノの他、サービスや投資も含みます。
これは世の中に大きないインパクトを与えます。日本は最も成熟した部類の国になります。途上国や移民受け入れを進めている国はパワフルですから覚悟して臨まないといけません。
会計や経理面でこれから起こるインパクト
- 貿易量が急激に増える
- 為替の扱いが急激に増える
- 海外投資資産が増える
- 経理サービスの海外移転が進む
- 海外の会計能力を持った方が日本で活躍するようになる
輸出入は特殊な知識を必要としています。契約や保険、商品とお金の流れは押さえましょう。また、為替や投資についても外貨決済や保有が一般的になりますので会計処理は習熟しておく必要があります。
4.については、既に大手の外資系企業は日本国内の経理サービスを比較的人件費の安い第3国に外注していたりもしますが、今後はサービスの自由化がされることにより裾野が広がっていくでしょう。これからの経理には、システム化と海外へのサービス移転により、記帳以上の分析とコミュニケーション能力が期待されてくるでしょう。
5.について、実は会計の世界はグローバル化が進んでいるので海外の方でも会計についての専門知識と実務経験を持っていれば正しい会計処理を行えます。例えば、イギリスの会計士資格を持つ人は、国際会計基準(IFRS)を前提としている国では大部分で自国の正式な会計士として承認されて業務が行えます。なんとその中にはロシアや中国も入っています。このように、会計もグローバル化しており、TPPによって顧問税理士が海外の人になるというようなことが起きる可能性もあります。危機感を持った日本税理士会連合会が反対の声明を出していますが(声明全文)、日本も時間の問題でしょう。日本の会計系試験は世界でも有数の難関。会計に身を置く身としては、締め出すより逆に世界的に活躍してほしいところです。
以上、いかがでしたでしょうか。TPP関連につきましてはまた進捗がありましたらフォローしていきます。
著者紹介(Author Profile)

- イーグル会計事務所
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本当はシステム開発が天職だと思っている公認会計士です。プログラムは何時間でも書き続けられます。個人的には金融、IT系、製造業系の会社が強いです。事務所としては数では飲食店のお客様が結構多いです。お客様の飲食店に伺うことも多いので太らないようにしていますが、その甲斐も虚しく最近太ってきています。
【キャリア】システムエンジニア→大手監査法人→メガバンクで銀行員→上場企業で最高財務責任者(CFO)→(ここから独立)イーグル会計事務所立ち上げ→税理士法人イーグル立上げ→イーグル会計事務所に戻る
【所有資格】公認会計士、税理士、中小企業診断士、第一種情報処理技術者、証券アナリスト、不動産証券化マスター等
【趣味】 温泉、洋楽、単車、漫画など
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