本日はブラック企業大賞2015へのノミネートが発表されました(ブラック企業大賞HP)。

ブラック企業については賛否両論あるかと思います。労働組合が頑張っているような企業と過度にハードワークな企業でのキャリアを形成した方の意見が割れるのは当然かと思います。

賛否について議論する気はありませんが、客観的に財務諸表を分析しました。

話のネタにでもお読みいただけると良いかと思います。

 

まず、去年の大賞は「ヤマダ電機」でした。

今年のノミネートは「セブン-イレブン・ジャパン、暁産業、エービーシー・マート、フジオフードシステム、明光ネットワークジャパン(明光義塾)、引越社関東(アリさんマークの引越社)」です。

コンビニの雄「セブンイレブン」、塾業界の雄「明光ネットワーク(明光義塾)」を見てみましょう。

何十年も前から辛いが手っ取り早く稼げるバイトとして定番の引越屋「引越社関東(アリさんマークの引越社)」は上場していないので割愛しました。つい先日、社員へ高圧的に対応している動画が話題になりましたので、ノミネートされたのでしょう。対象の社員の働きぶりが報道されている通りであれば、どっちもどっちという印象ですが、やはりノミネートされちゃいますか。

セブンイレブン

売上高 736,343百万円
売上原価 73,201百万円
売上総利益 663,142百万円
販管費 439,785百万円
営業利益 223,356百万円(ソース: セブンイレブンジャパンHP

営業利益率30%を超える超高利益企業。財務も健全。会計面からは優良企業の鏡的存在。

競合のファミリーマート営業利益率21%弱と比べるとその利益率の高さが際立ちます。なぜこの企業がブラック企業大賞にノミネートされたのか、その選定理由が気になります。直営店の社員店長はバイトの穴埋め等で労働時間が長時間に及ぶことも多いとは聞きます。

 

明光ネットワークジャパン(明光義塾)

売上高 18,768百万円
売上原価 11,792百万円
売上総利益 6,975百万円
販管費 3,420百万円
営業利益 3,555百万円
(ソース:明光ネットワークジャパン決算資料

少子化により塾人口が低下していくなか営業利益率は19%とかなり高利益体質。同業の上場企業、市進HDは営業利益率2%程度。ここも高利益体質の優良企業と言えます。塾業界は先生のコストが大きい特徴があります。こちらも選定理由が気になるところです。

以上、比較的財務的には優良企業がノミネートされている印象でした。

 

(追記 2015/11/30)

本年度の大賞は「セブン-イレブン・ジャパン」に決まりました。

理由は

「ビジネスモデルとして収益を上げる構造に歪みがあって、立場の弱い従業員に及んでいる」としながらも、同社のメディアへの影響力から「週刊誌などは(大賞の受賞を)取り上げないのではないか」と指摘した

だそうです。ネタ的な要素が強いですね。