衝撃的な報道がありました。

国税当局から所得隠しを指摘された埼玉県内の税理士法人が昨年11月、税理士法に基づく懲戒処分に向けた調査中に解散し、ほぼ同じスタッフで同じ名前の別法人を設立していたことがわかった。~中略

所得隠しを指摘されたのは、同県熊谷市の税理士法人「武蔵経営」と関連会社。いずれも元国税局職員の男性税理士が代表を務めた。

両法人は、関東信越国税局による税務調査の結果、2013年6月期までの6年間で法人所得計約4500万円を隠したと指摘された。関係者によると、両法人 は業務委託手数料や人件費などの名目で架空経費を計上しており、同国税局は重加算税を含む法人税計約1500万円を追徴課税した。~以下略(読売 2016/5/30)

税理士法人に税務調査が入ること自体が珍しいですが、その調査でまさかの税理士法人自身が架空経費計上。真っ黒で100%アウト。自身がそんな状態なのでクライアントにどんな指導してきたのか容易に想像がつきます。さらに国税局で処分を検討中に税理士法人を解散し、同じ名前の税理士法人を支店のあった同じ場所に作るという完全に法律の抜け穴を悪意を持ってかいかぐる行為を行うところに、手段を選ばない意気込みを感じます。

士業は職業倫理が業界全体の信頼を守るために最も大切です。

国税OBとして無試験で税理士登録された方なので税理士としての職業倫理を学ぶ機会がどの程度あったのかは定かではありませんが、仮にも国家公務員として高い倫理観で仕事をした”はず”の方がこのような事件を起こすとは。。。我々税理士は一人一人が業界全体の信用失墜にならないように襟を正していかないといけません。

 

(おまけ) 武蔵経営の事務所紹介

武蔵経営 事業紹介

読んでいると、素晴らしいことが書いてありますが、実態が報道のとおりだと、まともに読めないので目が細くなります。

 

(おまけ) 武蔵経営の経営理念

武蔵経営 経営理念

「ていねいで安心の財務サポートと適正な税務申告に努めますという」ところがもやもやした気持ちにさせます。

 

(おまけ) 処分を受けるはずだった閉鎖された税理法人武蔵経営の代表者経歴

武蔵経営代表者経歴

なんと、元の勤め先は関東信越国税局。今回は関東信越国税局が税務調査に入り、架空経費が発覚。古巣の後輩にやられた格好。

都市伝説としてある国税OB税理士の後光がささなかったようです。関東信越国税局はしっかりと仕事をしました。

 

武蔵経営の登記簿

処分前に閉鎖された税理士法人武蔵経営

所在地 埼玉県熊谷市中西2丁目7番31号

従たる事業所 埼玉県さいたま市大宮区仲町二丁目24番地2

解散日 平成27年11月30日

代表者(一般企業で言う社長) 龍前篤司

社員(一般企業でいう取締役) 中島 宜秀、木島 重雄、高田 江身子、岡田 正

(閉鎖)武蔵経営登記簿

 

新しく作った武蔵経営

所在地 埼玉県さいたま市大宮区仲町二丁目24番地2

従たる事業所 埼玉県熊谷市中西2丁目7番31号

代表者(一般企業で言う社長) 中島 宜秀

社員(一般企業でいう取締役) 岡田 正

武蔵経営 新規1

社名も同じ。場所も同じ。役員は元の方々の一部。従業員もほぼ同じとなると、実態は同じ会社なのでしょう。